国産牛
品種に関係なく全肥育期間の半分以上を日本国内で肥育された牛の総称。
「和牛」に対して「国産牛」という言い方をする場合は、「交雑牛」「ホルスタイン牛」のことを指す。
認証近江牛
滋賀県内でもっとも長く飼育された黒毛和牛を近江牛と呼ぶ。なかでも以下のすべての条件を満たすものを認証近江牛といい、「近江牛」生産・流通推進協議会が認定書を発行している。
- 1)枝肉格付がA4、B4等級以上のもの
- 2)協議会の構成団体の会員が生産したもの
- 3)滋賀食肉センターまたは東京都立芝浦と畜場でと畜・枝肉格付されたもの
近江牛提携牧場橋場牧場
脂っこくない霜降りに定評あり
黒毛和牛
肉専用種として指定された4品種(黒毛和種、褐毛和種、日本短角種、無角和種)、または4品種間の交雑牛を和牛という。なかでも黒毛和種は10ケタの個体識別番号と血統書により、生産現場の情報をたどれるようになっている。近江牛、神戸牛、松阪牛、米沢牛などの銘柄牛が有名。
交雑牛
肉牛と乳牛の間に生まれた牛。日本では黒毛和種の雄とホルスタイン種の雌を交配させたものが多い。肉質の向上と生産コストの引き下げを同時に実現したコストパフォーマンスに優れた品種で、良質の交雑牛では和牛に近い品質のものもみられる。
ホルスタイン
いわゆる乳牛。日本では乳牛の約99%をホルスタイン種が占める。和牛の高騰を背景に、最近では肉牛としての需要が高まり、国内生産牛肉の約55%に及ぶとも言われる。赤身が多く、高級部位と言われるロイン系はあまり取れない。
国産牛部位の紹介
1.ヒレ
- 特徴
- サーロインの脊椎内側にある細長い部分。1頭から左右2本、5キロほどしか取れない稀少部位。肉質は大変柔らかく、脂肪の少ない赤身。淡白で上品な味わい。
- おすすめの料理方法
- ステーキ、ロースト
2.リブロース
- 特徴
- ロースの真ん中で厚みのある部分。サシが入りやすく、旨味が濃厚。肉の風味が一番強く感じられると言う人も。
- おすすめの料理方法
- ステーキ、ロースト、すき焼き、しゃぶしゃぶ
3.サーロイン
- 特徴
- ロースの中で一番お尻に近い部分。サシが細かく入り、上品な旨味が特徴の最高級部位。
- おすすめの料理方法
- ステーキ、ロースト、すき焼き、しゃぶしゃぶ
4.肩ロース(くらした)
- 特徴
- 背中の筋肉で首に近い部分。鞍を乗せる部分だったので「くらした」と呼ばれる。脂肪の入りやすい柔らかな赤身肉で、ほどよい食感と濃厚な味が特徴。
- おすすめの料理方法
- ステーキ、ロースト、カツ、すき焼き、しゃぶしゃぶ
5.ウデ
- 特徴
- よく動く部分のため筋や膜が多く、硬い赤身。旨味が濃くゼラチン質が豊富なので、長時間煮込む料理に適する。薄くスライスすると食感が良く、旨味がある。
- おすすめの料理方法
- シチュー、すき焼き、しゃぶしゃぶ
6.前バラ
- 特徴
- ブリスケともいう。肋骨まわりの常に動く部位なので、やや硬め。適度にサシの入った赤身で、スライスして使うことが多い。
- おすすめの料理方法
- 焼肉
7.三角バラ
- 特徴
- バラの一部でムネの位置にあり、霜降りが入りやすい。上~特上カルビなどに使われるバラの王様。三角カルビともいう。
- おすすめの料理方法
- 焼肉
8.ナカバラ
- 特徴
- 肋骨に付いた肉のうち、ロース寄りに付いているほう。赤身と脂身が交互に重なり層のようになっている。三枚肉とも呼ばれる。
- おすすめの料理方法
- 煮込み料理、炒めもの
9.外バラ
- 特徴
- ナカバラの下にあり、ナカバラよりも脂が多め。濃厚な味わい。
- おすすめの料理方法
- 焼肉、シチュー
10.ラムイチ
- 特徴
- 尾に近いお尻の部分。ロースなどに比べるとサシが少なく、ジューシー。この一部であるラムシンは適度にサシが入り、柔らかい。
- おすすめの料理方法
- ステーキ、焼肉、すき焼き、しゃぶしゃぶ
11.内モモ
- 特徴
- 関西では内ヒラとも言う。外モモより柔らかく、脂肪の少ない赤身。加工品にもよく使われる。
- おすすめの料理方法
- ローストビーフなど塊で使う料理
12.シンタマ
- 特徴
- 赤身の塊でキメが細かく柔らかい。
- おすすめの料理方法
- 焼肉、カツ、ローストビーフ、煮込み料理
13.外モモ
- 特徴
- 外ヒラとも言う。よく動かす部位なので、肉質は赤身でやや硬め。角切りや薄切りにして使うのがおすすめ。挽肉にも適す。
- おすすめの料理方法
- 煮込み料理、炒めもの
14.スネ
- 特徴
- ふくらはぎ。筋が多く硬いがゼラチン質に富み、煮込むと濃い味が出る。ミンチにしてコンソメスープの材料にすると最高。
- おすすめの料理方法
- スープストック、煮込み料理