輸入牛
外国で飼育された肉を現地で食肉用に加工し、冷凍もしくはチルドの状態で輸入したもの。日本で消費される牛肉の約6割に及び、そのうちUS産牛が約3割、AUST産牛が約6割を占める。年間の総輸入量は毎年50万トン前後。品種、肥育環境、餌などの違いから、国産の牛肉に比べて脂肪分が少なく、赤身が多いのが特徴。
US産牛
脂質は和牛の約1/3、カロリーは約1/2と低脂肪・低カロリーながら、必須アミノ酸やビタミン・ミネラル類を豊富に含む。トウモロコシを主体とした良質の穀物で肥育されるため、柔らかでジューシーな肉質となり、肉本来の豊かな風味が感じられる。
アメリカは世界で初めて牛肉の格付けシステムを導入。米国農務省が4つの要素(牛の種類、成熟度、霜降りの入り具合、性別)から8等級の格付けを行う。このうち日本で流通しているのはプライム、チョイス、セレクトの3種類。
- プライム・・・
- 高級感あふれる霜降り肉。味わい、柔らかさ、ジューシーさなど、いずれも秀でた最高品質の肉。
- チョイス・・・
- アメリカンビーフの半分強がチョイスに格付けされる。プライムに比べると霜降りは少なめだが、バランスのとれたおいしさで、使い勝手の良いスタンダードな肉。
- セレクト・・・
- 低脂肪・低カロリーの赤身肉。価格も手ごろ。
US産牛部位の紹介
1.テンダーロイン(日本の呼称/ヒレ)
- 特徴
- 牛肉の部位の中でもっとも肉質が柔らかく、脂肪の少ない赤身肉。あっさりとした味わい。
- おすすめの料理方法
- ステーキ、ロースト
2.リブアイロール(リブロース芯)
- 特徴
- 外側のやや硬いかぶり部分を除去し、ロース芯だけにしたもの。柔らかく、明るい色の赤身肉で、風味ある脂肪と赤身肉のバランスが良い。
- おすすめの料理方法
- ローストビーフ、厚切りステーキ、すき焼き
3.ストリップロイン(サーロイン)
- 特徴
- 肉質が均一で柔らかく、ほどよくサシが入った赤身肉。融点が低いためとろけやすい。風味のある背脂肪と、柔らかな赤身肉の美味しさが味わえる。
- おすすめの料理方法
- 厚めのステーキ、ローストビーフ
4.チャックアイロール(肩ロース)
- 特徴
- いわゆる肩ロース。赤身肉にほどよくサシが入った旨みのある部位。
- おすすめの料理方法
- ローストビーフ、すき焼き、しゃぶしゃぶなど薄切りで使う料理
5.チャックテンダー(とうがらし)
- 特徴
- 肩甲骨付近の肉。筋や筋膜が多く、濃い肉色。肉質は硬いが濃厚な味わい。
- おすすめの料理方法
- 煮込み料理、タタキ
6.ネック(くび)
- 特徴
- すねと同じく脂肪分がほとんどない赤身の部分。エキス分に富むため煮込みにも適す。
- おすすめの料理方法
- コンソメ、煮込み料理、挽肉料理
7.ショルダークロッド(ウデ)
- 特徴
- 筋や筋膜が多く、濃い肉色。肉質は硬いが濃厚な味わい。
- おすすめの料理方法
- 煮込み料理
8.ブリスケット(前バラ)
- 特徴
- 脂肪交雑が入りやすく、濃厚な風味のある部位。スライスして使うことが多い。
- おすすめの料理方法
- 焼肉、煮込み料理、コーンドビーフ
9.ショートリブ(トモバラ)
- 特徴
- きめ細やかな霜降り部位で、とろけるような食感とまろやかな甘みが特徴。焼肉店ではカルビとして供される。
- おすすめの料理方法
- ロースト、ビーフシチュー、煮込み料理、ミニッツステーキ
10.ショートプレート(トモバラ)
- 特徴
- 脂肪と赤身が交互に重なり層のようになっている。肉質はやや硬いが味のある部位。
- おすすめの料理方法
- 煮込み料理、牛丼
11.フランク(スキバラ)
- 特徴
- トモバラの一部。「ササミ」とも呼ばれる。味があり、柔らかな肉質。
- おすすめの料理方法
- 煮込み料理、ミニッツステーキ
12.トップサーロインバット(ランプ)
- 特徴
- バーベキューなどで人気の部位。肉の繊維がきめ細かく、非常に柔らかい。
- おすすめの料理方法
- 焼肉、ステーキ
13.トップラウンド(内モモ)
- 特徴
- 脂肪の少ないジューシーな赤身部位。幅広い料理に使われる。
- おすすめの料理方法
- ステーキ、ローストビーフ
14.ボトムラウンド(外モモ)
- 特徴
- 脂肪の少ない赤身部位。きめが粗く、肉質は硬め。
- おすすめの料理方法
- 煮込み料理、薄切りや細切りにして炒めもの
15.ナックル(シンタマ)
- 特徴
- 赤身のかたまりできめが細かく柔らかい。いろんな料理に使われる。
- おすすめの料理方法
- ローストビーフ、煮込み料理、炒めもの
16.ボトムサーロインバット(シンタマ)
- 特徴
- 赤身のかたまりできめが細かく柔らかい。いろんな料理に使われる。
- おすすめの料理方法
- ローストビーフ、煮込み料理、炒めもの
17.ハインドシャンク(トモズネ)
- 特徴
- 運動量の多い部位のため肉質は硬く、きめが粗い。エキス分やゼラチン質が豊富で、スープストックを取るのに適す。
- おすすめの料理方法
- コンソメ
18.フォアシャンク(前ズネ)
- 特徴
- 運動量の多い部位のため肉質は硬く、きめが粗い。
- おすすめの料理方法
- 挽肉料理、煮込み料理、コンソメ
AUST産牛
100ヵ国以上に牛肉を輸出しているオーストラリアでは、すべての牛に電子タグが付けられ、生育履歴をデータベース化。厳格な衛生管理と監視システムのもと、証明書付きの高品質な牛肉を出荷している。
牧草を食べて育った赤身の多いグラスフェッド(牧草飼育牛肉)と穀物飼料で肥育されたグレインフェッド(穀物肥育牛肉)があり、このうちグレインフェッドは日本向けに開発された商品。穀物を与える期間によってロング、ミドル、ショートの3規格に分けられる。脂肪がほどよく入ったジューシーな肉質が特徴。
AUST産牛 部位の紹介
1.テンダーロイン(日本の呼称/ヒレ)
- 特徴
- きめが細かくて最も柔らかい部分。脂肪が少なくあっさりした味わい。
- おすすめの料理方法
- ステーキ、ロースト
2.キューブロール(リブロース)
- 特徴
- 肩側のロース肉で、かぶりを取りのぞいたもの。柔らかく風味豊か。
- おすすめの料理方法
- ローストビーフ、厚切りステーキ、薄切りのすき焼き
3.ストリップロイン(サーロイン)
- 特徴
- 柔らかく、香り・風味ともに最上の部位。牛肉のおいしさがダイレクトに味わえる。
- おすすめの料理方法
- ステーキ、ローストビーフ
4.チャックアイロール(肩ロース)
- 特徴
- 赤身肉にほどよくサシが入った旨みのある部位。風味が強い。
- おすすめの料理方法
- ローストビーフ、すき焼き、しゃぶしゃぶなど薄切りで使う料理
5.ネック(くび)
- 特徴
- すねと同じく脂肪分がほとんどない赤身の部分。スープの材料や挽肉、こま切れに。エキス分に富むため煮込みにも適す。
- おすすめの料理方法
- コンソメ、煮込み料理、挽肉料理
6.チャックテンダー(とうがらし)
- 特徴
- 肩甲骨付近の肉。筋や筋膜が多く、濃い肉色。肉質は硬いが、濃厚な味わい。
- おすすめの料理方法
- 煮込み料理
7.ブレードクロッド(ウデ)
- 特徴
- 筋や筋膜が多く、濃い肉色。肉質は硬いが、濃厚な味わい。
- おすすめの料理方法
- 煮込み料理、薄切りにして炒めもの
8.ポイントエンドブリスケット(前バラ)
- 特徴
- 脂肪交雑が入りやすく、濃厚な風味のある部位。
- おすすめの料理方法
- ビーフシチュー
9.ショートリブ(トモバラ)
- 特徴
- きめ細やかな霜降り部位で、とろけるような食感とまろやかな甘みが特徴。焼肉店ではカルビとして供される。
- おすすめの料理方法
- ロースト、ビーフシチュー、焼肉
10.ナーベルエンドブリスケット(トモバラ)
- 特徴
- 脂肪と赤身が交互に層を作り、肉質はやや硬いが味のある部位。
- おすすめの料理方法
- スライスビーフ、煮込み料理
11.フランク(スキバラ)
- 特徴
- バーベキューなどで人気の部位。肉の繊維がきめ細かく、非常に柔らかい。
- おすすめの料理方法
- 焼肉、ステーキ、すき焼き、しゃぶしゃぶ
12.トップサイド(内モモ)
- 特徴
- 脂肪の少ないジューシーな赤身部位。幅広い料理に使われる。
- おすすめの料理方法
- ステーキ、ローストビーフ
13.シルバーサイド(外モモ)
- 特徴
- 脂肪の少ない赤身部位。きめが粗く、肉質は硬め。薄切りや細切りにして炒めものに。
- おすすめの料理方法
- 煮込み料理、炒めもの
14.シックフランク(シンタマ)
- 特徴
- 赤身のかたまりできめが細かく柔らかい。いろんな料理に使われる。
- おすすめの料理方法
- ローストビーフ、煮込み料理、炒めもの
15.フォアシャンク(前ズネ)
- 特徴
- 運動量の多い部位のため肉質は硬く、きめが粗い。
- おすすめの料理方法
- 挽肉料理、煮込み料理、コンソメ
16.ハインドシャンク(トモズネ)
- 特徴
- 運動量の多い部位のため肉質は硬く、きめが粗い。エキス分やゼラチン質が豊富で、スープストックを取るのに適す。
- おすすめの料理方法
- コンソメ、煮込み料理